分解掃除の必要性
分解掃除とは何をするのか

精密な構造を備えている機械式時計を使い続けるためには、オーバーホールと呼ばれる分解掃除を行うことが必要です。分解掃除(オーバーホール)は、基本的にその機械式時計を制作したメーカーの修理部門や1級時計修理技能士などといった専門家に依頼することになります。下手な業者に依頼すると、却って不具合を起こすこともあるので注意が必要です。これは分解掃除が非常に繊細な作業だからです。分解掃除では、その名の通り、時計に使用されている部品をひとつひとつ分解して、それぞれの部品を洗浄して、引き続き使用できる部品なのかを確認します。使用できないようならば調整をした後で、組み立てるという大掛かりなメンテナンスを行います。
分解掃除をする方が長持ちお得
時計の分解掃除は、車でいうところの車検と同じようなものです。時計が正常に動き続けるために支障がないかを確認、支障があるのならば調整することです。機械式時計は、様々な部品を使用し、ぜんまいを動力として繊細な構造をしています。細かな部品がそれぞれ正しい動きをするために、何種類もの潤滑油が注入されているのですが、この油は時間が経つにつれて劣化していってしまうものです。また、何年も放置していると、油が乾き、部品同士が動くたびに傷つけあい、そのうち摩耗して正確に動かなくなってしまうでしょう。このほか、時計の裏蓋に使用されているパッキンなどは劣化するほか、次第に汚れがたまって内部に汚れが侵入する可能性があります。これを放置すると、やはり時計は動かなくなってしまうでしょう。これらを防ぐために分解掃除は必要です。