機械式時計がブランドに採用されるわけ
技術力の高さをアピールできる

正確な時間を表示するという点において、機械式時計がクォーツ時計、特に電波時計に勝る点はほとんどありません。しかしながら、機械式時計はいまだに多くの人から需要があり、様々な有名メーカーによって作られています。では、なぜ機械式時計は有名ブランドに採用されるのでしょうか。まず、高い技術によって仕掛けが成立しているからということが挙げられるでしょう。クォーツ時計は大雑把な設計でもそこそこ動きますが、機械式時計はゼンマイと歯車が複雑に組み合わさって時を刻むようになっており、開発するには精度の高い部品を作れる技術力が必要です。メーカーからすれば、機械式時計を売ることで自社の技術力をアピールできるわけです。
嗜好品として芸術的価値をつけて売ることができる
嗜好品として支持されているからというのも大きいです。機械式時計を使い続けるのはそう簡単ではありません。電池の残量さえあれば勝手に動き続けるクォーツ時計と違い、定期的にゼンマイを巻かなければならないからです。つまり、機械式時計を購入する人は実用品として好んでいるというよりも、ゼンマイと歯車で動くという仕掛け、見た目の重量感、あるいはデザイン性といった風な部分に惹かれている可能性が高いです。嗜好品であるがゆえに、メーカーとしては宝石で装飾するなど時計機能以外の付加価値をつけて、より高級にする売り方ができるので、「お金のある人たちしか持てない」ということになり、さらにブランド力を高められるわけです。